見えないもの

くぐり

kuguri

穴をくぐることは、一度、生まれ直すことだ。

物語

大楠の根元に、人ひとりが通れる穴がある。願いを書いた木札を握り、暗い通路を這う。出口の光が見えたとき、顔が少しだけ変わる。日本人は昔から、穴をくぐることと、生まれ直すことを同じ意味で扱ってきた。迷信ではない。自分の手で、一度「死」を通り抜けてみることだ。

なぜ、これが日本人を作るか

禊が水で垢を落とすなら、くぐりは空間で時間を一度切る。仮の死を身体で経験する儀礼は、説明では代替できない。分からないトンネルを、それでも進む。出口で人が少し違う顔をするのは、知識が増えたからではない。通過したからだ。

投稿の種

この話を、短く渡す

キャプションはそのまま貼れる。画像は写真と題を一枚に焼き付けます。

くぐり。

穴をくぐることは、一度、生まれ直すことだ。
願いを握り、暗い通路を這う。

迷信ではない。
自分の手で、一度「死」を通り抜けてみることだ。

近くにあるもの