日常の所作

いってらっしゃい

itterasshai

送り出す言葉は、帰ってくることを信じている。

物語

玄関で短く言う。行き先も、帰り時刻も、いまは聞かないことが多い。それでも言葉は残る。家は、人が離れても張りつめた一本の糸だと、あの短い発話は知っている。おかえりなさいは、その糸が切れなかった合図だ。

なぜ、これが日本人を作るか

日本の家は、血縁の器である以前に「往還の場」だった。送りと迎えを儀礼化することで、個人の自由を認めつつ、共同体から完全には切り離さない。離れることを祝福し、戻ることを前提にする。その前提が、互いへの最低限の責任を静かに保つ。

投稿の種

この話を、短く渡す

キャプションはそのまま貼れる。画像は写真と題を一枚に焼き付けます。

いってらっしゃい。

行き先を問わない言葉が、なぜこれほど温いか。
家は、人が離れても張りつめた一本の糸。
おかえりなさいは、その糸が切れなかった合図だ。

送り出すことは、所有しないこと。
それでも、帰ってくる場所を残しておく。

近くにあるもの